電解水酵素栽培いちご生産・販売 プレミアムジェラート製造・販売
~6次産業化の成功事例~
季節のブランド果実を用いた高品質ジェラートの市場展開事業
~農商工等連携事業計画 2008年度第3回認定~

1)御社は、「季節のブランド果実を用いた高品質ジェラートの市場展開事業」が、経済産業省と農林水産省による農商工連携事業の認定を受けました。これまでの会社沿革と経営理念、経営方針等についてお聞かせください。
平成13年、ベリーファーム・ケイを設立し、宇都宮市屋板町でイチゴの生産を開始しました。
平成20年1月、ベリーファーム・ケイと益子町の(有)柳牧場が連携し、高
品質のイチゴと新鮮な牛乳のコラボレーションにより高級ジェラートを開発
しました。
平成20年5月、宇都宮市アグリビジネス創出促進事業認定を受け、
ベリーファーム・ケイのイチゴやこだわりの生産者限定の果物、野菜を
使用したジェラートを製造・販売する会社、株式会社ハート&ベリーを
(有)柳牧場の布瀬智子さんと共同で設立しました。
平成21年3月、「季節のブランド果実を用いた高品質ジェラートの市場
展開事業」で、経済産業省と 農林水産省による農商工等連携事業計画
の2008年度第3回認定を受けました。フードオアシスオータニ平松店に
直営店「ジェラートショップ・ ハート&ベリー」を開店しました。
経営理念・経営方針は、一年365日、いつでも安心・安全な農作物を育て、収穫し販売する。生産から販売まで一貫してすべて自分たちで行い、常に最高の品質を提供し、お客様に喜んでいただくことです。そして、地域特有の資源を活用した付加価値のある地域ブランドの確立による6次産業化の完成を目指しています。
2)御社は、イチゴ摘み園、TBS「ランク王国」で全国第2位、イチゴとイチゴのジェラートが帝国ホテルに採用など、積極果敢な事業展開をされております。これまでの取り組み内容と今後の計画についてお聞かせください。
ジェラートショップ・ハート&ベリーは、栃木県の誇る生産量全国1位のイチゴと、生産量全国2位の牛乳とのコラボレーションから生まれました。イチゴをはじめとした果実類・牛乳・生クリーム・水のすべての素材にこだわり、製造・販売しています。

ジェラートの原料となる極上イチゴ完熟とちおとめは、「子供たちが安心して食べられる安全なイチゴ」をモットーに、低農薬、電解水と6液混合の養液土耕栽培という特殊な栽培方法を用いて、ハウス、高設ベンチ方式で栽培しています。完熟にこだわって収穫しているので、高糖度で香りが強く、電解水栽培の特徴でもある、日持ちの良さにあります。果実の実がよく締まっているので、完熟で収穫しても普通のイチゴより長持ちするのです。ハート&ベリーでは、この高品質で希少なイチゴを100%使用してジェラートを製造しています。ジェラートの製造法は、加工部門担当の布瀬智子さんが独自に開発したもので、ジェラート用に乳脂肪分を調整、アイスは乳脂肪分を少なめにして、双方の良さを生かしているのが一番のポイントです。
宇都宮市下栗町にイチゴ摘み取り園「ハート&ベリー苺の楽園」を開園しております。園内には、「とちおとめ」はもちろんのこと、イチゴ狩り専用品種「とちひめ」や、昔懐かしい「女峰」の栃木三姉妹が楽しめます。時間による食べ放題ではなく、好きなだけ摘み取っていただいたイチゴを量り売りにて提供させていただいております。摘み取ったイチゴは、園内のイートインスペースでゆっくりと召し上がっていただくこともできます。イチゴはすべて高設ベンチ方式にて栽培しておりますので、立ったまま摘み取りができ、バリアフリーですので車イスでも入園できます。皆様のお越しをお待ちしております。
今後の計画については、現在、東京の帝国ホテル、栃木県内の大手ホテル、老舗旅館、デパートとは取引があるので、全国各地のデパートに進出したいと考えております。それと並行してコスメ部門にも挑戦する予定でおります。イチゴの化粧水、イチゴの石鹸等化粧品によるオリジナルブランドの確立を目指しております。
また、皆様に意外に思われておりますが、ジャムの製造販売はまだ手掛けておりませんでしたので、これから製造販売をしてまいります。併せてパン類も手掛けていく予定でおります。
3)御社は、扱われている商品が「食品」であり、食の安全や農商工連携で気を遣った点や、いままでにご苦労なさった点についてお聞かせください。また、今回の震災による風評被害などについてお聞かせください。
私は、38歳からイチゴの栽培、生産を始めた新規就農者です。学生時代は、酪農を夢見たものの「資金が3億円必要」と聞かされ、牧場経営は断念し一般企業に就職しました。その後「誰にも負けない、いいものを作る仕事がしたい」との思いが強く、新規就農に関する説明会に足を運んだのがきっかけとなり、園芸の農業法人勤務を経て、妻の出身地であるここ栃木県で土地を借り、イチゴの生産に乗り出しました。
とにかく、振り返ると今の形になるまでは苦労の連続でした。特に農地の確保、資金の確保が一番大変でした。公的機関に農地の相談に行っても「直接、農家へ」。農家が全く面識のない他人に土地を貸すはずもなく、通常相場の何倍もの資料を提示されることも多々ありました。また、就農を勤めるパンフレットに表示してあった無保証・無担保融資をしてくれる金融機関はなく、現存農家と違い保証の面では厳しい融資条件を求められました。
イチゴの栽培は自然が相手、なにより病気が大敵です。私の生産するイチゴは、消費者の立場に立って生産していますので、農薬を最小限に抑え、ファーム内の環境を一定に保ち、土は研究、改良を重ねオリジナルブレンドです。前項でもお話ししましたが、電解水と6種類の養液を時期に応じて与えています。当初は試行錯誤、失敗の連続でした。「他人がやっていないことをやる」、「いいイチゴを作り皆に喜んでもらいたい」という思いと家族の応援を支えにここまでやってきました。

今回の震災による風評被害については、弊社においては、ほとんど影響ありませんでした。弊社の事業内容は、イチゴの出荷、イチゴの摘み園、ジェラートの製造販売と多角化ができており、イチゴ農場も近隣に分散して展開しており、各所の直接の被害もほとんどありませんでした。
今の時期、どこの飲食店でも「完熟イチゴ」が欲しい季節です。お陰さまで、私の作るイチゴは「味が美味しく完熟でも日持ちがする」という評価をいただき、付加価値を備えることができました。震災後、逆にイチゴの注文は増え続けています。信頼関係を築いてきたお取引いただいているバイヤー、シェフやパティシエの皆様に感謝しております。
4)現在の不況に対応するための経営手法等、今後の御社の経営計画についてお聞かせください。また、会社経営における「人材」の育成や活用方法についてお聞かせください。
不況に勝つためには、商品をブランド化するに尽きます。そして
差別化です。おのずと体力がついて、不況の波は関係なくなり
ます。弊社の場合、イチゴの収穫高は決まっています。簡単に
大量に短期間に増産などは不可能な商品です。現在、商品の
多角化を行いながら、それぞれのレベルを上げていく努力をして
おります。例えば、イチゴ摘みだけでなく、「ジェラート教室・
スイーツ教室」の開催、地元のレストランや他の農作物を作る
農家とのコラボ、県の夏秋イチゴ新品種「夏おとめ」を利用した
周年出荷。また、イチゴだけに限らず、全国的に有名な他県
特産の果物を使用することも研究中です。東京や世界各国を
見据えながら、大手企業ができないこと、量産できないものを
手掛けたいと考えております。
人材の育成や活用ですが、私の望みは「もっと新規就農者を大事にしてほしい」ということです。これからの農業は、新規就農者が支えていかざるを得ない状況だからです。既存の農家はどこも後継者がいない状態で、衰退の一途をたどっています。しかし、「食」に最もかかわる産業なので絶対になくなることはありません。誰かが必ずやらなければなりません。他の産業からでも人がこないと、食糧自給率は下がる一方で日本の農業に明るい未来はありません。弊社では、やる気のある人間、新規就農を目指す人には、生産ノウハウの伝授や指導教育を惜しみません。グループ化やのれん分けといったスタイルをとっています。農業をあくまでもビジネスとして経営し、楽に就農できる体制を整えていきたいと考えています。

会社概要
有限会社 ハート&ベリー
宇都宮市下栗町1305
- 従業員数 4名
- パート 6名
- URL www.gelato.jp





