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トップインタビュー

株式会社バンテック 代表取締役 鈴木 和芳 氏

配電制御技術の活用から電気化学技術の融合による新時代への挑戦

~高圧受電設備、配電・制御盤メーカーの新技術開発と自然エネルギー研究開発事例~


【鈴木 和芳 社長】

1)御社は、創業以来、キュービクルを始めとして配電・制御板のメーカーとして業績の伸展に努められております。これまでの沿革と経営方針についてお聞かせください。

 弊社の前身は、先代である実父が戦後間もない昭和23年に現在の那須塩原市内(当時の西那須野町)において、モーター修理、工場の配線工事等、主に重電機工事業として個人創業した「鈴木電機」です。その後、昭和35年に「鈴木電機株式会社」に法人化し、更に、昭和52年からは、製造部門を開設し、高圧受電設備、制御板、分電盤の製造を開始しております。

 そして、平成4年8月に、製造部門を同社より分社・独立し、弊社が設立されております。それ以来、最新の配電・制御技術の構築に努め、数多くの高圧受電設備、配電・制御板を製造し、市場拡大に努めてまいりました。

 また、平成15年には、エコシステム部を開設し、燃料電池の研究・開発、更に、平成16年には水素エネルギー事業を併設し化石燃料に頼らない地球環境に配慮した自然エネルギーの研究開発にも努めております。

 その成果により、平成16年、20年に栃木県フロンティア企業認証(認証技術:無加湿運転燃料電池コンパクトカー)、並びに平成22年「レッツBuyとちぎ」推奨商品(商品名:高耐食性スーパーガルバリウムキュービルク)の選定を受けております。

 弊社の経営方針は、積極性、誠実性及び持続性に基づき、次の事項を実践することにより、顧客満足度の向上と社会貢献に努めております。

①最新の配電・制御技術を積極的に取り入れ、「安心・安全」を心がけ、高品質と低価格を両立した製品の提供

②「お客様第一主義」によるアフターサービスの充実

 

2)御社がこれまで取り組まれてきた研究・開発、新技術への取り組み等についてお聞かせください。

  弊社の現在の組織体制は3部1室(製造部、設計部、営業部、開発室)
 体制となっております。その内、製造部は、弊社の基幹部門である高圧
 受電設備、配電・制御板の製造を行っており、その製造工程は、鈑金加
 工→塗装加工→組立加工→検査工程による一貫生産体制が構築され
 ております。

  また、開発室は、非常用燃料電池、事業用水素発生装置の製品化を
 目指し地球環境に配慮した次世代エネルギーの研究開発に取り組んで
 おります。

  具体的には金属・化学工場や病院などで使用する事業用水素発生装
 置の自社製品の市場展開を目指しております。

 なお、弊社としましては、創業以来、新技術の積極的な導入により、「Q(高品質)、C(低価格)、D(短期納)、S(安全)」の実現化に取り組み、技術に裏づけされた「モノづくり」に取組んでまいりました。

 そのための手法としまして平成14年11月に品質管理システムの国際基準である「ISO9001」を認証取得しております。その後、社団法人日本配電制御システムによる優良工場(JSIA工場)の認定を受けており、弊社の製品にはJSIAの「優良」と認定された信頼を表す「efマーク」が付いて出荷されております。

 併せまして、平成16年11月には、中小企業経営革新支援法に基づく経営革新計画の承認を受け、「固体高分子型燃料電池を利用した電源システムや自然エネルギーを利用した燃料電池システムの開発と製造販売」のテーマに基づき、宇都宮大学等との連携により大手企業が参入できないニッチ市場向けの製品開発に取組んでおります。

 

3)平成22年度において経済産業省の「戦略的基盤技術高度化支援事業」の採択を受けております。その事業内容についてお聞かせください。

 近年CO2削減とエネルギーセキュリティーの観点より再生可能エネルギーが着目されています。昨年、資源エネルギー庁は2030年を目標にゼロ・エミッション電源比率を34%から70%に引き上げる数値目標を示しました。4年後の2015年には燃料電池車対応として全国に100箇所の水素ステーションの設置を計画しております。

 弊社においては、前述の通り去る平成15年にエコシステム部を立ち上げ、燃料電池や自然エネルギー活用の水素発生装置の研究・開発に取り組んでまいりました。

 その結果、次世代エネルギーとして普及を図るためには、水素製造コストの低減
が不可欠であることが判明しました。

 以上により、研究テーマ名は、「アモルファス合金めっきによる燃料電池供給用
水電解装置の開発」
としました。

 研究課題としまして、「電極の高性能化により電解セルを小型化し、設備費の約
半分を占める電解セル費の低減をすること。また、ランニング費の大部分である
電気消費量の削減により、水素単価の低コスト化を実現させる」内容で採択を受
けております。

 技術面に関しましては、従来技術である「結晶質金属電極」の短所である

①酸化皮膜がもろい、②電流が集中するため、腐食しやすい等を解消するため、
新技術である「アモルファス合金電力(非晶質金属)」の優れた特徴である①均一
な酸化皮膜が形成される、②一旦、酸化皮膜が破壊されても、即座に酸化皮膜
が形成される等の利点を利用して、電極の長寿命化及び高効率化による水素製
造のコストダウンを目指しております。

 数値目標としましては、水素製造コストを現在の300円/m3から80円/m3に低減できることを目標に研究開発に努めております。

 また、研究体制についても、宇都宮大学との連携により、いわゆる産学官連携による研究体制が構築されております。それらのサポート体制の充実化により、安心かつ心強く研究・開発に集中できる環境が整備されております。

 

4)今世紀は、エネルギー、環境の世紀といわれております。これまでの取組み事例、及びこれからの省エネ、環境問題への取組みに関する計画についてお聞かせください。 

  弊社においては、以前から原油に代表される化石燃料に代わる自然
 エネルギーによる代替エネルギーの研究開発に取組んでおります。

  その一例としましては、次のような国等とのプロジェクトによる実証実験
 を行い、再生可能な自然エネルギーを利用した事例を有しております。

  ①杉並木公園自然エネルギープロジェクト(2004年12月 国土交通
 省モデル事業
  今市市杉並木公園)

  公園内の水車から取り出した電力を水電解水素製造システムにより、
 夜間イルミネーション点灯として利用

風と燃料電池で築く環境最先端のまちづくりプロジェクト(2005年12月 環境省モデル事業 北海道室蘭市 稚内公園)

 風車(風力発電)を利用し、遠隔オペレーティング搭載による水電解水素製造燃料電池システムにより、市の教育施設である新エネルギーサテライトへの電力供給。

太陽光発電新技術等フィールドテスト事業(2007年 NEDO事業那須塩原市 戸田調整池)

 太陽光パネルを利用した水電解水素製造システムによる水素製造システムによる水素製造の安定性及び高効率化の実証

 また、既に開発・製品化に成功している工事・災害時用等の利用を想定したポータブル燃料電池電源システム「携帯用背負子型アースセーバー」や次世代光源(超高輝度白色LED)を使用した省エネ照明の「LED街灯」の製造により、環境負荷の少ないエネルギーを使用した電源装置類の開発に積極的に取組んでまいります。

 更に環境教育の一環として平成19年~21年度の3年間に日光市教育委員会と連携し、地元の小中学生に水素エネルギーの重要性をPRする活動も合わせて行ってきています。

 最後に、それらのエネルギー事業を通した地球環境問題と地元地域に密着した経営を実践することにより、社会に貢献できる社会づくりを目指してまいります。

 

会社概要

株式会社 バンテック

那須塩原市二区町321

資本金 3,000万円

従業員数 53名

URL http://www.vantec-jp.com/

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